世界情勢トピックス
齟国、漁船衝突の賠償金を韓国に請求へ
 中国外務省から『予想通り』の発言が飛び出した。『すでに韓国側と厳正な交渉を行っている』と。

 先日、韓国の排他的経済水域内で操業していた中国漁船が韓国の警備艇に衝突した事故。

 韓国側海洋警察は特に目に余る漁船にゴムボートで乗り付けて、これに乗り込もうとしたところ、鉄パイプなどで激しく抵抗した中国側によって負傷者が出た。

 また、これとは別に中国漁船の一隻が警備艇に自ら船をぶつけ沈没。そのまま沈んだことで、1名が死亡、1名が行方不明になった。

 韓国はこれを通達。現在も捜索を行っているが、中国は事件後、まったくこれに触れず、国内への報道も行わなかった。

 さらに、韓国や中国国内の世論動性や情報が国民に伝わるかどうかを見極めるように一切コメントを行わなかったのであるが、21日、ついにコメントを発表するに至った。

 韓国は、当然ながら韓国の法律に基づいて今回の事件を処理しようとしているが、中国は韓国(つまりは国連)の規定する排他的経済水域を否定しており、独自にそのラインを決めている。

 今回の事故(中国の挑発行為)が起きたのは中国の主張する排他的経済水域内であることから、中国は韓国の主張を一切しりぞけた形だ。中国にすれば自国の排他的経済水域内での事故だから韓国に責任があって、中国の経済水域に入ってきた韓国の警備艇が悪い=賠償金を払え、という論法だ。

 これもいわゆる『原理原則』。国連が定めた領土、領海、経済水域などは一切無視して、自分が定めたものが正しいという原理原則があるから、それに従って外交を行う。

 極端に言えば『俺が法律』というジャイアニズムの典型だ。

 しかし、現在韓国政府は北朝鮮のヨンビョンドへの砲撃などで国内世論が硬化しており、ここで引けば『弱腰』との批判が渦巻くのは必至。

 また中国も、日本の尖閣に続いて、韓国との緊張に、ここも『弱腰』は国民に見せられないという状況にある。

 北朝鮮も韓国と緊張を高めるなか、この仲裁に入る立場の中国が、直接韓国とことを構えるのはタイミングがあまりに悪く、実際のところ中国はこの問題をうやむやにしたままにしておきたかったところだ。

 ただ、今回の問題が尖閣と大きく違うのは、尖閣は『領海』の揉め事。今回は『排他的経済水域』の揉め事であるという部分。

 領海を通過する場合は、船であっても航空機であっても相手国の承認が必要で、これを行わなければ『侵犯』になるが、経済水域の場合はそこで『利的行動(漁業や資源の採掘など)』を行わなければ特に航行は自由である。

 よって、韓国もまだ冷静でいられるのは海洋警察に死者が出なかったことと、今回の件は『領海』ではないこと、さらに今回のような中国漁船の拿捕は年間数百件にも上る日常茶飯事の出来事であることがある。

 今回たまたま死者と韓国側にも負傷者が出たために大きな報道がなされたが、同様の中国漁船による操業は年がら年中のこと。

 それだけに今回は双方の外交によって穏便に済む可能性が大きい(双方の意見だけを主張して後は平行線で放置)が、中国または韓国の世論が高まればここでも一気に緊張が高まることになる。
(Dr.K 12/21 11:43)
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